「わ、雪」
 ボクの言葉にさんがひょっこりと顔を出す。窓の外を見ては「道理で」と呟き嘆息しては炬燵の虫に戻っていく。
「出かけてみようよ」
「寒いのやだよ」
「ご飯ボクがおごるからさ」
 再度彼女が顔を出した。むっつり顔で「ならいいよ」なんて小声で言うものだからボクは思わず笑みを浮かべた。