彼女が消えて数日が経った。心配なのでボクは霧切さんに相談した。でも、霧切さんは眉根を寄せるだけで彼女を探そうとはしてくれなかった。
「苗木君、はね」
 憐れむような目をする霧切さんの声が聞こえない。
 そんな目で見ないでよ。さんは死んでない、いなくなっただけなんだから。