『つまりそれって』

「その髪型ってどうやってるんだ」日向君が不思議そうにしていたので解いて実践してみると感心したような表情だ「すごいな、毎日やってるんだろ」「うん。…そうやって褒めてくれると結構嬉しいね。好きな子とかに言うと覿面なんじゃない?やってきなよ」日向君は笑った「今言ったからいいよ」…え?



『夏のせいじゃない』

暑くなってきたといえどアイスを食べてると次第に寒くなってくる。
「もう食べれない…寒い」
「だから言ったろ」
日向君は呆れ顔だ。ワザとらしく震える私に大きな溜息。
「それくらいなら食べてやるよ」
日向君の大きな口がパクリと食べる。…あれ、これって関節キス?寒かったはずなのに顔熱いな。



『頼もしい彼氏』

ラーメンを食べてると麺から汁が服に散った。「あーあ、シミになるぞ、それ」素早くゴシゴシと綺麗なお手ふきで日向君が拭いてくれる。私は成されるまま。「ありがとう。なんか日向君、お父さんみたいだね」「なんだよそれ」日向君の顔はなんだか不服顔。「彼氏の間違いだろ」そうでした。



『走ってきてくれたんだね』

風邪を引いたので、家で大人しく寝る。でも一日中寝るとなると時々起きちゃうわけで。ぼんやり天井を見つめていると、ドアが勢いよく開く音。「お前、寝てないとダメだろ」日向君の呆れ顔が視界に写る。寝てたんだよと言おうとして思わず笑っちゃった。だって日向君、病人の私より息辛そうなんだもん。



『さりげない気遣い』

草餅を買いたかったのに、買えたのは草餅桜餅のお得パックだった。草餅は美味しいが、桜餅は…、なんて考えていると、パッと桜餅だけを取っていく手。「日向君と一緒に居ると桜餅タダで貰えるから得だよね」そう言うが本当は俺が桜餅が苦手なのを知っているんだろ。俺はお前のそういうところが好きだよ



『テレビの中への嫉妬』

テレビを見る彼女の姿は楽しそうだ。最近ハマっている俳優がいるとか何とか。「カッコイイー!」面白くないのでテレビを意地悪で消すと、ムスッとした顔がこっちに向く。「なにー?嫉妬?」「…悪いかよ」素直に認めると、ニコッと笑われる。「日向君かわいいー!」そこはカッコイイじゃないのかよ。



『テレビの中への嫉妬 ver彼女』

最近ハマっている俳優がいるので、良く追っかけている。でも、その事がバレているのか後ろの方にいる日向君の表情は少し嫌そうだ。突然テレビを消されてしまったので、嫉妬かどうか問い詰めてみると恥ずかしそうにそれを認める。俳優が好きな理由が日向君に似てるからって言ったらどんな顔するんだろ。



『可愛いは君のため』

アイツとのショッピングに連れられてきて早一時間。どっちが可愛いかなんてひたすら悩むのを見てどっちも同じもんじゃないかとそう言うと分かってないなあ!と怒られる。「日向君に見られるんだからいつだって可愛くないとダメなの!」思わず口元が緩んだ。大丈夫だよ、お前はいつだって可愛いよ。